小学生の時の楽しむ英語学習からいよいよ本格的になってきた中学英語学習。英語の単語の暗記でつまずくお子さんも多いと思います。とはいえ,英語はリスニング力,文法力,そして単語力(語彙力)で点数の取れる教科です。本当はスピーキング力(コミュニケーション力)がプラスされるべきだと個人的には思うのですが,現状この3つです。
そしてリスニング力も文法理解力も,単語の語彙数の上に成り立っているものです。
と言っても過言ではないかもしれません。
小学生また中学生のお子さんを持たれる親御さんがこの点をよく知っておくことは助けになると思います
高校受験のためだけではなく,一生忘れない役に立つ単語力を中学生のうちに身につけておくために,有効とも思われる方法を,その具体的なやり方も含めて紹介していきたいと思います。
中学生が英単語を一生ものにするために
単語を覚えるのが苦手な人は共通点あります。覚えるときにまず文字から入っているのです。
「日本語に対応したアルファベットの並んだ文字を覚える作業」をしていることです。
例えば机は英語でデスクだと,かなりの日本人は知っています。
だから単語も意味の分からないアルファベットの羅列には見えないと思われます。deはデ,sはス, kはクとあてはめてつづりませんか?
無理な学習方法でさらに難しく!?
小学校でローマ字を習うのはこのためにだけ有効であると思います。(英語発音やフォニックスをやっているとローマ字学習は無駄にも思えるのです。
なぜフォニックスではなくローマ字学習なのか?また別の議論になるので今回はやめておきます。)完全にローマ字表記ではもちろんないのですがダ行をしめすのはDであろうという知識は持ち合わせていますよね。
書いて覚えて、また書いて
次に,例えば中学単語ではないですが覚えにくい単語として「本能」という単語を例に話を進めていきたいと思います。「instinct」です。
これを文字から入る場合,「本能」という英単語は iの次にn,次がsでt,i,nと続いて次にcでtとなる,と書いて書いて覚えるということをします。なかなかの高いハードルです・・・。
この作業を続け行くなら英語嫌いになるのは自然の流れですね
覚える順序を音からにする
これを音から入るようにします。カタカナ書きにしていまいますが,耳で聞くだけで大丈夫です。インスティンクト。これと「本能」を(あとで述べますが日本語の意味を対応させるというよりイメージを入れることが大事です)結びつけます。それから,文字にします。書くのではなく声を出して覚えるのです。
イン=in スティン=stin クト=ct。完全なローマ字よみとはもちろんいきませんが,読むことに違和感はありませんよね。こうなると単語は信じられないくらい覚えやすくなりますし,同時にリスニング力ひいてはスピーキング力にもきちんと役に立ってくるのです。
音から覚える理由
なぜ,音から覚えていくといいのかというのは理由があります。
この順序は赤ちゃんが言語を習得する順番だからです。赤ちゃんが日本語を覚える順番で頭に入れていくのです。言語の基本はそこでそれが自然でもあるのです。
赤ちゃんは音を聞きます。たくさんの日本語を浴びてそれをとりあえずまねて発音していくうちに,意味を知ります。その時意味として獲得するのは別の言語ではありえません。日本語を理解するのに英語を使ったりしないということです。あたりまえです。シチュエーションからその言語に対応するイメージ(もの)を理解して語彙を増やしていくのです。
イメージで言語を理解
「まんま」といえば,おなかをみたしてくれるおいしいものがでてくる・・・これを「まんま」というのね・・とは考えているか定かではありませんが,流れとしてはそうです。イメージで言語を理解していくのです。そして,書くのは最後です。
英語も基本同じ形で理解することで覚えやすく記憶に定着しやすくなります。
次に,本能という日本語は中学生には日本語としても難しい単語ですよね。ここからは,日本語の意味を対応させるというよりイメージを入れることが大事,という少し先に触れた話になります。
インスティンクトをinstinctとつづれても,本能の英語がインスティンクトだ,というのを覚えるのが大変だ,なのでそれもクリアにしていきましょうという話です。
なぜ覚えにくいかというと,本能,という単語を活字でしか理解していないからだと思います。
視覚的に理解する
赤ちゃんは意味を視覚的に理解します。
「わんわん」というものはあの茶色くて道でよく出会う生物らしい・・・という経験を重ねて正解を理解します。そして忘れません。
そこも同じようにすれば,覚えやすくなり,なおかつずっと忘れない単語として定着することができると思うのです。
しかし日本語をもう話せる私たちはその意味が示すものがわかならいということはありません。赤ちゃんとちがって,私たちはその単語の意味を獲得するのに経験は必要としません。
インスティンクトは,本能という意味だという正解を,英語と別言語である日本語がわかるために経験なくして知ることができるのです。
しかしそれは有利ではあるものの言語獲得の弊害にもなっています。活字としての理解は活字としての理解のみになり,言語の単語としての使い道がわかない・・・ということが起こるのです。
そこで必要なのは特に単語はコロケーションで覚える必要があります
単語はコロケーションで覚える
さっそく例から考えましょう。「have」:これは意味がまず「持つ」として教科書では覚えます。
持つという言葉だけを覚えてしまっているなら融通が利かなくなります。
なぜなら兄弟がいる,I have a brother.なんて言い方にも使います。持つ、と覚えてしまってはこの解釈は出てきません。
これをhaveの意味をイメージでとらえます。例文をたくさん見てみます。
自分の生活圏内に所属しているものに使われているイメージが浮かび上がってきます。ピンポイントで「持つ」と覚えてしまってはhaveにはたくさんの意味があるのだなと思ってしまうのですが,イメージでとらえられると,そこに違和感がなく対応できます。
英語圏の文化と日本語圏の文化には違いがあります。一つの単語に対して同じイメージがあるとは限らないのです。日本人は「持つ」という単語を使って,弟を持っているという言い方をしない,でも英語圏の人は車もかばんも弟も,自分が所属している世界に存在するものすべてに共通した一つの単語「have」をつかっているのだ,ということです。
単語を覚えることを根本から考えておく
単語を覚えるのにはこの一連の流れが大事,ということです。意味のイメージ,とはなかなか難しい話になるのですが,その単語が持つイメージの絵を描く,使われた例文などを見ることです。
英語に慣れてきたら英英辞典を引く,という方法もあります。英語の単語の意味を英語で説明してもらえると,日本語の意味とはまた違うイメージがつかめることがあります。
一生モノの英語のために必要なこと
それが一生モノの英語になるよ,という視点からのおすすめの方法なので,明日の単語テストや1週間後の英語の定期テストのためというなら,単語を書きながら発音も意味も言葉に出して言う・・・それだけでも全く覚えの速さは変わります。
その具体的な方法はここでも取り上げています
英単語を覚える具体的な方法
具体的な英単語の覚え方に焦点を当てていきましょう。
方法としては音から入ることは先に述べました。
まずは記憶のメカニズムを理解することが大事です。
・最初に定着していない記憶は一気に忘れてしまう。20分を超えると42%失われるといわれています。
・その後ゆっくり忘れていきます
記憶のメカニズムを理解した方法
最初の復習は20分以内です。復習して再度覚えなおすことで忘れにくくなり定着していくのです
もちろん一生20分以内の復習を続けてくことは無理です。ただし最初のころは小刻みにくり返すことで記憶が定着します。
さらにポイントがあります
・新しく学ぶものは適量に小分けにすること
・定着せず落ちていくものを何度も複数回すくいあげ,忘れきるまえに復習すること
・一日はあけて記憶を定着させてから再度復習すること
具体的な復習パターン
それを踏まえたうえで、具体的なやり方を提案してみます。
毎日やることは次のことです。
・20分以内に復習さらにもう一度復習
・復習した中で、特に間違えたものだけを再度テストする
・一日の終わりに復習する
・一晩寝て、前日に覚えた単語をすべてテストをする
一生ものにするための親御さんのサポートは不可欠
これを繰り返すことで一生忘れない単語語彙力を期待することができます。負担になるようなら数を減らしてもいいのです。長く続けることが大事です。テストは親御さんが作ってあげるなど,やりやすいよう続けやすいようサポートしてあげるのもおすすめです。
周りにいる人がどのように意欲を持たせてあげるかが特に必要だからです。
一生ものにするためには英単語や英語学習への意欲を強くしてあげるかがその後の人生設計にも大きくかかわるからです
お金をかけずに英単語を覚える方法
基本的に単語を覚えることにはお金をかける必要はありません。どの単語を覚えていくのかと単語帳を買いに本屋へは走ることも,発音の音を聞くのにCDを探しに行くこともしなくてもいいのです。
教科書と,ネット環境さえあればできます。
中学生にも役立つ情報が下の記事にあります
やる気がなくなってきたときにできること
英語は言語です。勉強だと思うことで嫌になってしまってはもったいないと思うのです。
基本は褒めることです、特に頑張っているところは見逃さないで褒めてあげてください
英語を理解することで広がる世界には、誰しもあこがれを抱くことと思います。その思いを再確認してみましょう。
頑張る気持ちを応援する方法
例えばお子さんがサッカーが好きなら、日本人サッカー選手が海外で活躍したときにインタビューで答えているYouTubeを一緒に見てみましょう。野球選手、テニス、他の分野で活躍している人でも外国語を使って楽しく答えている映像を見せてあげるだけでも違うと思います。
頭ごなしにやらせようとプレッシャーをかけることはしないでください。
歌や映画の活用です。実はリズムを重視するため文法的にはまちがっていることのある歌の歌詞ですが,単語を覚えるのはよいものです。歌だとイメージも付きやすく意味も含めて覚えることができます。
一曲歌えるようになるだけで新しい英単語がどれだけ覚えられるでしょう。それを考えるとわくわくしませんか?大好きな曲をずっと聞いているうちに英語が学べるなんてお得以外の何物でもありません。勉強と思わず意味など解らなくても耳コピでもいいのです。歌えるようになるのもいいですね。
親として英語が難しい理由を知っておく
親御さんにとっての英語はどのようなイメージですか?
ペラペラ話せるほどの実力者でしたらそれは素晴らしいです。
でも苦労された方も多いのではないですか?その原因をしっかり親として知っておくと子どもを助ける方法も見えてきます。下の記事に特集しています
苦手意識のある英単語を覚える
はじめは音を聞いてもなにを言っているのか?
分からないかもしれません。基本は聞こえるままでいいのです。
楽しく学べる環境を子どもたちのために作ってあげたいと思います。
クイズ形式にするのもいいと思います。
勉強としては記憶のメカニズムを味方につけて覚えていきましょう。やる気が出ないときにはYouTubeの助けになる動画も活用してとにかくたのしく学ぶ方法をやっていきましょう。
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